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オプト社と百度の検索1位認定マークにみる中国人消費者の行動特性

オプト社と百度の検索1位認定マークにみる中国人消費者の行動特性
このほど、ネット広告大手のオプト社が中国検索大手の百度と提携をしたとニュースが流れましたね。

百度で検索数1位の商品・サービスを分野別に洗い出して、その認定マークを有料で提供し、訪日中国人の集客に役立ててもらうというもの。3年後に500社の導入を目指すようです。

オプト社は導入企業から認定マークの利用料とPOP等の制作費を受け取り、百度と分け合います。認定マークの利用料は月額70万円。

高いか安いかはさておき、このニュースからも中国人のネット情報に対する信頼度が読み取れますね。

この認定マークは、日本企業が訪日中国人消費者を如何にお店に呼び込むか、そのひとつの答えとして、オプト社と百度が合作で提案したプロモーション手法だと思います。このプロモーション手法が成功を収めるかどうかはまだわかりませんが、少なくともオプト社は、【「百度で検索1位」という’見せ方’で、お店に中国人を呼び込めるだろう】という思惑で提案しているわけで、確かに中国人消費者にはそういう一面が今なお色濃く残っています。

「百度検索1位認定マーク」という見せ方は、簡単にいうと、「みんなが注目してるよ!気になってるよ!買ってるよ!」という消費者へのサインです。

それを信頼して中国人消費者はお店に入って買い物をするわけです。

その「百度検索1位認定マーク」という「ネット上の ’みんな’ によって築かれたブランドイメージ」を参考にして、中国人消費者は買い物をしているということです。

中国国内では偽物ブランドの横行や著しく品質の悪い国内ブランドが目立ち、消費者の利益を完全無視した業者がはびこっているせいで、多くの消費者が企業側の公式な発言さえも信じられなくなっています。国内で買い物をすることに大きな不信感を抱いているのです。仮に正真正銘の本物のブランドバッグを買うにしても、「国内で買うとなんだか粗悪品だ、海外で買うほうがいい」という具合に、国内で売られているものへの不信感はかなり強いものがあります。

また、今や訪日中国人の買い物に対する考え方も変わってきています。「中国に無く、日本にしかないものを買いたい」という思考だった過去から、今や「良質なものを買いたい、流行にそったものを買いたい」という風になってきているのです。

まとめると、こうです。

「ネット上の不特定多数の発信だったとしても、隣にいる友人からの発信だったとしても、とにかく信頼できる正しい情報を探し当て、自分に合った良質なものを買いたい。」

販売者側の情報を信用しきれなくなった今、正しい情報の獲得手段は、友人口コミやその集合知である検索エンジンやWeChat投稿などに切り替わっていき、それが常識化することで購買時の慣習になったのだと思います。

企業側で段取りされたタレントや広告から作られるブランドイメージは意味がなく、検索エンジン実績やWeChat投稿や友人口コミなど、自然に消費者側で醸成されるブランドイメージが鍵を握るようになったのです。

中国では、企業発信のブランディングは無意味とは言いませんが、日本ほどパワフルではありません。

企業発信のトップダウンによるブランディングではなく、消費者発信のボトムアップのブランディングこそが効果を発揮します。だからこそ、検索エンジン実績やWeChat投稿など、ネット上にある不特定多数の ’みんな’ によって築かれたブランドイメージがモノをいうわけなのです。

「検索エンジンで1位だから、この商品は良いですよ」という今回のこのプロモーション手法は、そんなボトムアップのブランディングには則していて、訪日中国人消費者には適切な広告手段なのかもしれませんね。

 

 

 

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