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越境EC新税制度の概要が徐々に明らかに。広州からスタート確定か?

越境EC新税制度の概要が徐々に明らかに。広州からスタート確定か?

これまで越境EC税制度改革に関する様々な憶測や噂が入り乱れていましたが、遂にひとつの結論を迎えたと言って良いかもしれません。ある有力筋の情報によれば、2016年4月8日より、越境ECに大きな影響を与えることになる新税制度が、まずは広州税関からスタートすることになりそうです。

※この越境EC新制度改革に関する状況は以下の記事で時系列を追ってご確認いただくことができます。
【速報】越境EC新制度の施行を一部1年後へ(2016年5月の動きに関する記事)
越境EC輸入新制度さらなる延長を発表。2017年5月から2017年末に再延期(2016年11月の動きに関する記事)
【中国】越境ECで化粧品やサプリメントなどが再び輸入可能に!?新制度に新たな動き(2017年3月の動きに関する記事)

新制度は広州からスタート

税関に非常に近い関係者が、中国のメディア「亿邦动力网」に漏らした情報によりますと、越境ECを展開する各企業の保税業務に関する新システムは、3月31日までに完成予定ということです。新システム名を直訳すると「越境輸入電子商取引における統一システム」という表現が最も近しいかと思いますので、本記事では「統一システム」という呼び方をさせていただきます。

統一システムは、広州税関において先行して運用が開始されるようで、4月8日にアップロードされた後、広州で税関と関係する業務を行う企業は、必ず1か月以内に完全に移行を行わなければならないということです。

 

新制度に関する変更点をおさらい

4月8日0時より、新しく導入される統一システムでは、輸入通関に関する新たな税制度に基づいて計算されます。主な変更点は以前のブログ、越境ECに激震!50元免税制度が廃止される!?において記載した通りです。その中でも主要な変更事項を以下に改めて記載します。

1回の購入金額が2000元を超えてはならない

・関税率は当面0%とする(行郵税は別)

・増値税、消費税を30%減税する

・行郵税50元以下の場合でも課税となる

 

すべての越境EC業務を可視化

統一システムでは、すべての企業(電子商取引を行う企業、決済代行企業、物流企業)へ税関への業者登録の届出することを義務付けています。また、新制度の業務上のルールも明確になってきました。

ですが、本記事の元となる中国語原文の表現は非常に簡潔で、内容が曖昧な部分もあります。ここでは本制度改定の全体的な流れから考察し、原文から理解、推定できる範囲で記載いたします(解釈に誤りがございました場合には、何卒ご容赦お願いいたします)。

  • 企業の行郵税の保証金納入金額が確認できる

→「以前は税金を納付してから通関許可が下りていたのを、スピードを上げるために追っての一括納付ができるようにする、という変更があると思われます。その際完全後払いでは徴収リスクがあるので、事前に保証金を納め、その残金が通関時企業名と併せて表示され、その範囲内で通関を行うという意味かと推測します。

 

  • 注文書、電子支払い証明書、物流伝票(か発送証明)は必ずワンセットとしなければならない。

→ひとつの注文に対し、必ず支払の記録(支払の際にアリペイや銀聯側が出す電子支払い証明)と物流伝票(か発送証明)が必要となります。曖昧な納品は許可されなくなるということですね。

 

  • 届出業務を行えるのは、越境電子商取引企業もしくはサイト、或いはその代理人に限る

→得体の知れない人間からの申請は、一切受け付けないということでしょう。

 

  • 正式許可を有する企業は、代理のかたちで発注書と支払確認書を発行することができる

→一定の信頼に基づき、正式な許可を得ている企業のみ、一部書類の代理発行が可能という意味と思われます。利権も少し絡んでいるかもしれませんね。

 

  • 正式な新制度の公布後、統一システムは以前の商品登録を抹消する。各ECサイトは、ネット販売を行う商品を予め手配をしてよい

→文章の通りです。以前は事前申請をして登録完了した製品のみ通関が可能でしたが、簡易化及び輸入可能な製品の増加を目指しているようです。

 

  • 注文書、電子支払い証明書、物流伝票(か発送証明)、輸入明細書の4点を電子通関システムへ申請すると、電子通関サービスサイトは、通関システムを通じて監査と検証を行い、統一システムがこれら4点のデータを受け付けた後、監査情報を電子通関を通じてEC企業(サイト)へフィードバックする。仕入企業と物流企業は、統一システムを活用して越境ECにおける輸入ができるようになる。

→「こちらも文章の通りです。電子手続きが可能になるというのは画期的ですが、通関不可となる商品の基準や、それを誰がどこでどう判断するのかなどは、今のところ詳しい情報は入って来ておりません。

 

  • 越境ECを行う企業等は、注文者の身分証情報を把握している必要があり、もしECサイトが身分証の照会ができない場合、購入者と支払者が一致することの確認を厳しく要求される。

→一般の消費者からすれば国内で並行輸入品を国内のサイトで購入しているだけなのですが、本来は一人当たりに購入が可能な個数制限があります。あくまで自己消費をすることを前提に、一般貿易では禁止されている化粧品や医薬品の個人輸入が認められています。この身分照会を厳格化することにより、転売目的で大量に購入する業者を締め出す狙いがあると言えます。

 

 

それ以外にも、越境電子商取引は返品が難しいという問題があります。統一システム移行後は、消費者が直接保税倉庫等へ返品申請を提出し、対応が可能になるという話もありますが、具体的な内容は新制度の正式な発表を待つまでわかりません。

 

該当企業は速やかに手続きを行うべき

今回の制度改定にともない、各地の輸入電子商取引企業は、至急再度の業者登録の届出を行わなければなりません。早急に新システムに移行するためには、アップロードされる前にこれらの業務を行っておく必要があります。

既に登記登録済みの企業は、登録している税関で登録情報変更手続きも可能です。まだ登記をしたことのない企業は、越境輸入ビジネスを行う企業であるという届出と登録を、新規で行う必要があります。

自由貿易区を利用する越境輸入ECビジネスの最大の利点は、一般貿易では輸入が許可されていない製品を販売できることです。市場規模もますます大きくなり、新システムにより保税区倉庫の在庫管理や、通関手続きの簡素化というメリットが出てきます。

逆に、税関にとっては未知の製品などは、その詳細を検討されることなく輸入不可とされてしまうようなケースもあるかもしれません。結果、レアな製品はEMS等の国際小包、化粧品、医薬品、サプリメントなどで売れ筋は自由貿易区、それ以外は一般貿易、と分業化が進んできそうです。

中国との越境ビジネスに関係している方は、4月8日までしっかり情報を収集する必要があります。

当ブログ運営の株式会社クリップスでは、越境ECに関する出店サポートから物流、管理運営まですべてのソリューションをワンストップでご案内しております。

ご興味のある方は、コチラよりご相談下さい。

 

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コメント

  • Comments ( 2 )
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  1. 越境ECで、日本の医薬品を個人輸入として販売できると記載されていますが、有りえないと思います。
    実例があるのですか?

    ①越境ECとは、インターネットで販売することであるので、日本の医薬品を輸入販売する場合(中国で承認されていようが、未承認薬であったとしても)医薬品販売業許可が必要と思います。保税倉庫利用/越境EC(優遇措置)ではその業態許可が免除されるのでしょうか?

    ②インターネットで販売することが医薬品の個人輸入に該当するのかどうか疑問です。
    例えば、日本の厚生労働省で、個人輸入と称して代行業者が発送すること、さらにインターネットで商品を買わせることを禁止しています(厚生労働省のホームページ参照)。世界中どこでも、中国でも役所が考えることは同じなはずです。

    可能であれば、①②に対しご回答願います。何卒宜しくお願いいたします。

    • 貴重なご意見・コメントをありがとうございます。
      記事の内容につき、おそらく誤解を招く表記となってしまったように思われます。申し訳ございません。
      記事の内容は、通関にまつわる許可のお話であり、プラットフォームでの販売が可能かどうかということを指しているわけではございません。
      また、ご指摘頂いた販売許可の話で、越境ECという定義では中国国外のECプラットフォームということを指していますので、原則的には医薬品販売については許可が必要となりますが、管轄は中国になるか日本になるかというところは微妙な部分でもございます。
      実際にプラットフォーム側では指摘がなされていないのも現状のようです。

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