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赤字でもダブル11に参加し続ける中国現地ベテラン出店企業の思惑とは?

赤字でもダブル11に参加し続ける中国現地ベテラン出店企業の思惑とは?

2016年のダブル11が終わりました。アリババのTmall(天猫)プラットフォームでは、今回の24時間で1207億元(約1兆8105億円)の総売上高となり、2015年の912億元を遥かに超え、今年も世界記録を更新しました。11月11日当日、昨年の数字を15時19分13秒で抜き、1000億元の大台突破までは18時間55分36秒と非常に早いタイミングでの達成となりました。Tmall(天猫)は改めて中国EC業界の偉業を達成したことになります。

さて、ダブル11はこのようにド派手なイベントであり、既に大勢のビジネスパーソンにも認識されるようになりました。そのド派手さがゆえ「いっぱい売れるよ」「儲かるよ」というイメージを持たれている方も多いかと思います。

しかしながら、ダブル11当日だけを考えると、実は非常に薄利多売なビジネスになることが多く、たくさん売れたのに赤字となる企業も多く出ています。毎年ダブル11を観察している筆者から見た限り、特に日本企業においては、このダブル11当日に向けての極めて短期間の間に成果を上げられない場合、撤退する企業も多くいるように見受けられます。

さて、このような撤退ですが、正直申しまして、大変なミスジャッジです。

中国ではダブル11で赤字となった企業でも、次の年のダブル11にも必ず参加する企業が多数存在します。さて、その理由とは?今回はそのあたりのことについて書きたいと思います。

ベテラン現地企業はダブル11を当日だけのビッグセールと捉えていない

’’ダブル11’’と表現されるからには、それはイベントであり当日のみのビッグセールというイメージを持たれる方が多いかと思います。しかしその捉え方だけでは不十分です。当日に如何に大量に売って利益を出すかという視点だけではダメということです。

昔からダブル11に参加している中国現地の’’ベテラン企業’’は、ダブル11を「格安で大量の新規顧客を獲得できるチャンス」と捉えています。ダブル11を通して初めて自店で買い物をしてくれた新規顧客に、今後もリピーターになってもらい、末永い優良顧客として居続けてもらう、そんな優良リピーター顧客をたった1日で量産するきっかけ、それがダブル11なのです。

だからこそ大前提、とりあえずダブル11セール価格で購入してくれた新規顧客に、優良リピーター顧客となってもらうためには、商品そのもののクオリティや価格だけでなく、購入前のオンライン接客のクオリティ、購入後の出荷の早さやアフターサービスの良さなど、多くの評価ポイントで新規顧客からの高評価を得る必要があります。「次もこのショップで買おう」となるための、接客、物流、アフターサービスの質が非常に重要になってくるのです。

極端な話、「11月11日にいっぱい売った、でも発送は混み合っておりますので少々お待ちください」ではダメなのです。ダブル11で赤字覚悟で獲得した新規顧客を、優良なリピーター顧客に育て上げる仕組みが必要なのです。

ダブル11で得た新規顧客を如何に優良リピーターに育てていくか?

では、成功している企業はダブル11で得た膨大な新規顧客を如何にして優良リピーターに育てていくのでしょうか。その答えのひとつに、’’自社プラットフォームへの顧客誘導’’があります。Tmall(天猫)という既存の他社ECプラットフォームで得た新規顧客を、①自社プラットフォームに誘導し、②より価値のある体験をしてもらいながら顧客ロイヤリティを高め、③顧客の口コミを最大化しブランドの認知拡大を狙っていきます。

①自社プラットフォームを構築し新規顧客を誘導する

ショップにとって、ダブル11当日の売上は非常に大事ですが、もっと大切なことは新規で獲得した顧客情報や購入履歴などのデータです。これら全てが第三者のECプラットフォームに依存してしまっていると、自社独自の一元管理が難しくなり、自社ブランドへの直接的なロイヤリティを高めることが困難になります。自社プラットフォームはフルスクラッチで作る必要はなく、EC構築技術が不足している企業でも表側のECサイトとSaaS等で出回っている顧客管理システムを組み合わせて構築するだけでも充分でしょう。

②顧客を維持し、再購入率を高める

新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストの6倍と言われています。ダブル11が生み出す最大の利点は新規顧客を格安で獲得できるということです。結果的に営業コストを下げることが出来るのです。顧客へのフォローをきっちり行えば、顧客満足度は高まり、他の商品にも興味を持ってもらえるようになります。次回の購入ではポジティブな口コミ評価をしてくれるかもしれません。徹底的な顧客サービスが既存顧客を育て上げます。

③自社プラットフォームでキャンペーンを行い顧客を活性化する

自社プラットフォームの構築、そしてソーシャルメディアとの連携により、うまく情報を集めることができたら、さらなる消費へ誘導するためのキャンペーンやイベントを行いましょう。ダブル11で得た膨大な数の新規顧客に自社プラットフォームでリピート顧客になってもらい、さらにキャンペーン・イベント情報などで口コミを広げ、さらなる新規顧客を自社プラットフォームに直接集客していきます。

ダブル11の恩恵を最大化するために

ダブル11の恩恵はTmallやタオバオを運営するアリババにだけあるのでは意味がありません。実直にお客様のために仕事してきた中小の出店ショップにも恩恵はあるべきです。ダブル11参加により格安で新規顧客を大量に増やし、彼らの心をつかむショッピング体験を十二分に提供することで、真の意味でダブル11への参加の意義があったと言えるのではないでしょうか。自社プラットフォームへの集客が増えれば、商品の品質はもちろん、アフターサービスや今後のキャンペーンにも直接評価をしてもらう機会が増え、彼らが満足すれば、さらなる顧客を呼んできてくれます。また自社プラットフォームがない場合には、ソーシャルメディアの自社公式アカウントにフォローをしてもらうなど、工夫することも必要になってくるでしょう。

※越境ECビジネスとは、モールへの出店するだけで成り立つわけではありません。そのショップの運営方法やブランディング、組織づくり等、あらゆる面での統一的なプロデュースが必要となり、その中で消費者に選ばれる唯一無二のショップを作っていかなければなりません。本格的に中国越境ECへ参入されたい企業様、是非クリップスへ問い合わせ下さい。

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