中国ビジネス情報マガジン | Business China

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ブラックフライデーが今後の中国越境EC市場に与える影響

ブラックフライデーが今後の中国越境EC市場に与える影響

先日、中国越境EC大手の洋碼頭(YMT)のブラックフライデーキャンペーンについて書きました。

中国越境ECに出店する企業にとって、ダブル11あるいはダブル12こそが中国における最大の商機ととらえる企業が多いですが、今後はアメリカ発(欧米)のブラックフライデーも無視できない日になってくることでしょう。Tmall国際でもブラックフライデーは2年目に入り、売上におけるその影響力は絶大なものとなってきています。今、中国越境ECのブラックフライデーでは何が起こっているのでしょうか?

そもそもブラックフライデーとは?

「ブラックフライデーって何?」という方のために説明したいと思います。既にご存知の方はこのセクションは飛ばしてもらって結構です。

ブラックフライデー(英語: Black Friday)とは、アメリカ合衆国の感謝祭(サンクスギビングデー:Thanks giving day)の翌日に行われるセール日の名称です。感謝祭が毎年11月の第4木曜日に行われるため、その翌日の金曜日がブラックフライデーとなります。祝日ではないのですが一般的に休暇をとることが多く、クリスマス商戦(ホリデーシーズン)の開始日として盛り上がります。筆者もブラックフライデー当日にニューヨークに居たことがありますが、半額以上の割引セールが街中のあちこちでありました。実はブラックフライデーは感謝祭のプレゼントの売れ残り一掃セール日でもあります。ちなみに名前の由来は、多くのお店で「黒字になる日」からきています。

この「ブラックフライデー」、日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは感謝祭が終了する24時真夜中に街中のお店やショッピングモールがオープンし、限定セールが大々的に行われ、人気ショップなどではまるで戦地のような賑わいを見せるのです。

ブラックフライデーの重要性

「ダブル11はどんなに偉大であっても、グロバールビジネスとしてはブラックフライデーの方が重要である」と中国某投資銀行の上級管理職が語ります。小売り会社は新しいマーケットに入るためにブラックフライデーのチャンスを掴まなければなりません。
ブラックフライデーは昔からありましたが、2005年頃からアメリカで最も賑わうショッピングデーになりました。
10年を経て昨年、アメリカでのブラックフライデー当日のオフライン売上高は104億ドル、オンライン売上高は27.2億ドル、総額131.2億ドルとなりました。これは、実は同年の中国ダブル11におけるアリババの売上高と同レベルのものです。

そして今年、越境ECが盛んになった現在では、その影響はどのように出てきているのでしょうか?海外製品の品質を信頼する中国人消費者にとって、中国越境ECプラットフォームへ出店している欧米企業のブラックフライデーセールは、まさに格好の買い時です。粉ミルク、ベビー用品は依然として越境での買い物カテゴリとして注目される商品であり、さらには化粧品、健康サプリメント、贅沢品などもよく売れました。中国ECプラットフォームを紹介する情報サイト返利網(http://www.fanli.com/)が発表したデータによると、今年のブラックフライデーでは、Diorの注文量が昨年の27倍増、Calvin Kleinの注文量は普段の30倍になったとのことです。

深圳ではブラックフライデーの通関量がダブル11を抜く

今年、ブラックフライデー明けの11月28日(月)、深圳税関の情報によると11月25日(金)~11月27日(日)のブラックフライデーキャンペーン期間において、深圳越境ECの業績がダブル11を抜いた模様です。この期間内での取り扱い荷物の通関量は156,600件に達し、額にして3121.7万元(約4億6825万円)とのことです。これはダブル11に比べ11.38%増ということになります。

今年のブラックフライデーは11月25日(金)で、ちょうどダブル11の2週後でした。アリババの天猫(Tmall)やネットイースの网易考拉(KAOLA)等はダブル11に照準をしぼりキャンペーンを行っていますが、多くの深圳の越境EC企業では、ダブル11というよりも、最も力を入れるべきキャンペーンとしてブラックフライデーを選ぶ傾向にあるようです。

消費者は海淘にブラックフライデーを求めている

アリババ系ECが伝統的にダブル11に力を入れたとしても、消費者は自らの需要に非常に素直です。Tmall国際のブラックフライデーは今年で2年目とまだ歴史は浅いですが、早速昨年実績を圧倒的なスピードで上回りました。ブラックフライデー当日の11月25日(金)に、なんとわずか7時間で昨年の同日の売買高を超えたのです。同社の発表によると新規ユーザーは74.55%を占めていたようです。そしてユーザー全体の60%は18~35歳で占められていました。若い人たちの間で海外製品の新しいセール期間として認識されており、新しい顧客層にリーチし始めている傾向にあります。

世界各国の小売百貨店はTmall国際をブラックフライデーの主戦場と置いたようです。韓国の百貨店emartは開始わずか40分で昨年の1日の売上高を超え、10.5時間で昨年の3倍にまでなりました。アメリカのメイシーズは約1時間程で、そしてアメリカのCostcoは9時間で、日本のマツモトキヨシは8時間で昨年1日の売上高を超えたのです。また日本の三越伊勢丹はブラックフライデーの前にTmall国際に出店を開始。初めてのキャンペーンを開催し、ブラックフライデー期間内でダウンジャケットや洋服関連の福袋が最も人気の商品となりました。平均顧客単価は1000元(約15,000円)以上だったようです。上海、成都、天津とわずか3つの実店舗しか持たない三越伊勢丹が、Tmall国際を通じ中国全土の消費者に商品販売をすることが出来た瞬間でした。

ダブル11では、特筆してよく売れるものが生活用品ではあるのですが、今回のTmall国際のブラックフライデーでは消費者のさらにアップグレードされたニーズ、いわゆる高級品や贅沢品の消費を促すことになったのではないかと思います。Tmall国際の総経理刘鹏氏は「中国人消費者はまだまだ成熟しきっていないところがあり、新しい商品や新しいブランドには目がありません。Tmall国際を通じて海外のオリジナル商品を購入したいという欲求があります。そしてさらに今後は中国人消費者のライフスタイルや健康・医療などに関わる商品も多くなってくることでしょう。」と述べています。

Tmall国際ブラックフライデーの各種ランキング

最後に今年のTmall国際でのブラックフライデーキャンペーンから各種ランキングを紹介して終わりたいと思います。

【1】最も人気の高かった出店社の国籍

  1. アメリカ
  2. 日本
  3. 韓国
  4. オーストラリア
  5. ドイツ

【2】最も消費額が大きかった都市

  1. 上海
  2. 北京
  3. 広州
  4. 杭州
  5. 深圳
  6. 成都
  7. 武漢
  8. 天津
  9. 南京
  10. 蘇州
  11. 重慶
  12. 寧波
  13. 西安
  14. 福州
  15. 長沙

【3】最も消費額が大きかった省(市)

  1. 広東(省)
  2. 上海(市)
  3. 浙江(省)
  4. 北京(市)
  5. 江蘇(省)
  6. 福建(省)
  7. 山東(省)
  8. 四川(省)
  9. 湖北(省)

【4】最も購入された品目

  1. 化粧品
  2. ベビー用品
  3. 健康食品、サプリメント
  4. 洋服
  5. 食品
  6. 日用品
  7. インテリア
  8. 家電製品

【5】最も購入された商品

  1. アメリカのメイシーズのAnne Klein腕時計
  2. アメリカのSneakerheadのadidas tubular runner
  3. 日本の熊野油脂の馬油セット
  4. 韩国SNPのSNPアイマスク
  5. タイのKingpowerのドライマンゴー
  6. 日本のMiki HouseのHot Biscuits子供服
  7. 香港centurymallで販売されたブラウンの耳式体温計
  8. 韩国ClubclioのファンデーションBB
  9. オーストラリアChemist WarehouseのDHAサプリメント

【6】最も人気の高かった店舗

  1. Chemist Warehouse(オーストラリアのドラッグストア)
  2. Costco(アメリカのスーパーマーケット)
  3. メイシーズ(アメリカの百貨店)
  4. Lohaco(日本)
  5. 客隣尚品(中国の海外ブランドEC小売)
  6. emart(韓国のディスカウントストア)
  7. GNC(アメリカのドラッグストア)
  8. Nutrilon(オランダの粉ミルクメーカー)
  9. 花王(日本)
  10. Jayjun(韓国のコスメブランド)
  11. 爽快ドラッグ(日本のドラッグストア)
  12. Swisse(オーストラリアのサプリメントメーカー)
  13. Target(アメリカのディスカウントストア)

 

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