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中国金融最大手の平安集団が目指す全く新しいECプラットフォーム戦略とは?

中国金融最大手の平安集団が目指す全く新しいECプラットフォーム戦略とは?

昨今、アリババグループや京東グループなどの大手ECプラットフォーム企業が金融サービス事業を展開する中、逆に中国の金融業界の巨人「平安集団」がEC事業に本格参入です。

先日、平安集団が運営するオンライン決済サービス「平安壱銭包」の総経理諸寅嘉氏と常務副総経理常琳氏が某中国WEBメディアの取材を受け、諸寅嘉氏は「平安集団と万里通の合併により、各社が運営する『平安壱銭包』とポイントプラットフォーム『万里通』は、消費マーケット、ポイントマーケット、資産管理マーケットをトータルにカバーできる新プラットフォームになることができた。今後はこの新プラットフォームに賛同する企業の商品やサービスを投入していくことで新しい商圏を完成させる。」と述べました。

第三のオンライン決済企業として

諸寅嘉氏はもともと、「平安壱銭包」の前身である「平安付」に参画する前までは、アリペイ無線事業部の総経理、そして淘宝商品部門責任者を歴任してきた背景があります。アリババグループに7年従事し、現在中国では当たり前となった2次元バーコード決済の開発チーム担当をした実績も持ちます。

ところで現在、オンライン決済市場において、アリペイやWechat Payは圧倒的な知名度をもち、他の追随を許さないほどのユーザーを抱えています。しかし、平安壱銭包とアリペイ、Wechatの決済総額の差は、実は今縮まってきているのです。諸寅嘉は語ります。「とあるデータによると、アプリによるオンライン決済において、業界決済額の50%をアリペイが、40%をWechat Payが占めており、壱銭包アプリやその他のアプリは残りの10%を分け合っている状況です。しかしながら、アプリ以外のオンライン決済額と合わせた場合には、壱銭包の2016年の年間決済総額は約3兆元(約45兆円)を見込んでおり、現状1月~9月においては既に2兆元を超えています。アリペイは年間5兆元前後ということを考えると、壱銭包はアリペイやWechatに引けを取らないレベルにまで来ている。」

平安による’’金融’’の強みを活かした事業展開

諸寅嘉氏は「平安壱銭包はアリペイを目指しているわけではない。」と言います。平安壱銭包はあくまでユーザーの生活のあらゆる場面に深く入り込んでいくことを考え、平安が総合金融企業であることの強みを最大限に活かした事業を展開していくと。中国最大手の金融機関であるからこそ、その顧客の保険加入状況や資産管理状況などの情報は膨大に蓄積されており、確かなマーケティングに活かされていくのでしょう。消費者に合わせた消費の提案から、新しい金融商品の提案、ポイント付与サービスまで、まさに消費とファイナンス、ポイント管理をワンストップにフォローする巨大プラットフォームとなり得るわけです。

諸寅嘉氏は「壱銭包はある側面では消費を満たすサービスとして、またある側面では資産管理を充実させる金融サービス会社として、ユーザーの生活を総合的に支える。」と語ります。

Tmallとも京東とも異なる。中国消費マーケット制覇を目指す平安の戦略とは?

さて、平安壱銭包をECプラットフォームとしてとらえた場合、今年9月にポイントプラットフォームの「万里通」と合併したことで、ユーザーはポイント利用が可能となりました。壱銭包ユーザーにとってさらに便利な体制が整ったことになります。先に述べたオンライン決済サービスとともに、新しい展開としてEC事業を積極的に進めていますが、常琳氏は壱銭包プラットフォームについて、アリババグループのTmallとは明確な差別化を図っていくとしています。「我々はTmallと競合するプラットフォームとはならず、ポイント利用とキャッシュによって高品質な商品を提案できるプラットフォームとしてあり続ける。そしてそのような意向に賛同する出店企業も今や続々と集まりつつある。」と常琳氏は述べています。また常琳氏は常々’’高品質’’と強調し、壱銭包の強みは、多くのユーザーが平安金融、提携の航空各社、そして中国の三大キャリア各社のポイントユーザーであり、高品質路線に対して理解のあるユーザーを既に抱えているというところであると述べています。

さらに、壱銭包プラットフォームはテナント式であり、京東のように自社で仕入れ自社で売るモデルとも異なると諸寅嘉氏は言います。テナントにはクレジットカード会社や車険、生命保険などの金融小売も入っています。

ECプラットフォームの経歴としてみると、京東やアリババに比べ、平安はまだまだ歴が浅いことは事実です。しかしながら、これまでの金融事業で蓄積されてきた顧客情報や顧客との接点の数々は、途轍もない量と質のビッグデータとして、間違いなくECマーケティングに活かすことが出来ます。これは巨大保険企業であるからこその強みです。そして常琳氏が言うように、確かにある一定のレベルで高品質商品を売り込みやすいユーザー属性のセグメントが引かれていることも確かでしょう。質の高い日本製品が受け入れられやすい環境も整っているかもしれません。

消費者のファイナンスを握ることで消費マーケットを制しようとする平安壱銭包のアプローチは、他のどのプラットフォームにも真似することのできない壮大なマーケティング戦略なのです。

 

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