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「中国正規EC白書」を公開: 70%の消費者は商品品質を重視

「中国正規EC白書」を公開: 70%の消費者は商品品質を重視
2018年3月15日に中国のi-Researchが発表した「中国正規EC白書」で、中国のネットショッピング、越境EC、商品に対するクレーム等に関する分析がなされています。

報告によると、2017年・1年間の中国インターネットショッピングの取引規模は推定で6兆1000億元(約102兆円)とされていて、前年2016年からは29.6%の増加です。
すでに中国のEC市場は成長期から成熟期へとサイクルが変化してきていますので、以前ほどの伸び率ではないものの順調な増加を続けています。成熟期へと変化を見せる段階で消費者の正規品に対する需要が更に高まってきています。

i-Research地域総経理の伍毅然氏は「我々の正規ECに対する理解は10年前であれば誰ひとりとして理解していなかった。この頃からかなりの速度で市場が発展してきていたが、最近5年に至ってもショッピングの方法がPCからモバイルに移行していく途中で、依然理解が深まっていなかった。そして今日、正規ECこそが素晴らしい生活を作ることができる。それをまさにアピールする機会が訪れた」と語っていますが、その言葉の根拠とは?

例えば、物流面を見ると、中国国内の宅配便取扱量は1日平均で1億1000万個、それらの平均配達完了日数は2日、これらの荷物とネットショッピングのマッチング率が高まっていて、物流の全国カバー率がどんどん広がっているので、これらの処理効率がどんどん高まっています。
販売プラットフォームは、天猫やタオバオ、京東などの総合プラットフォームが中心なのは変わりませんが、総合プラットフォームだけでは拾いきれない細かい領域に踏み込んだショッピングモールが増えていて細分化が進んでいます。
決済クライアントでは、2017年第3四半期のモバイル決済規模が98億7000万元(約1680億円)に達していて、その規模は急速に拡大しています。
更に最近ではクラウドコンピューティング、ビッグデータ、AI(人工知能)がEC領域に浸透してきているので、販売効率が高まりEC産業の発展に寄与しています。

i-Researchのデータを更に読み進めると、2010年時点で80後・90後と呼ばれる1980年代および90年代生まれの人口が総人口の30%を占めていましたが、8年経った2018年これらの人たちが消費の主力層になってきていることが更にEC産業の発展を押し上げてきています。
2010年と2015年を比較すると、年収10万元(約170万円)以上の中産階級以上の家庭が2倍以上の増加を見せていて、特に新興中産階級(年収6.3~10万元)と中産階級(年収10~15万元)が5年間で40%ほどの拡大しています。その分低所得層の比率が下がり、中上級・富裕層が増大したことで、今や中国各家庭全体の平均年収は30万元以上にも達しているので、特に中産階級の消費需要が高まってきていると言えます。

そのほか、消費者がショッピングをする時の決め手が70%が商品サービスの品質、64%が商品価格を挙げていて、今まさに中国の消費者は品質・安全に対する高い要求を課していることが垣間見えます。
この数年、越境ECが急速に発展していく過程で、コピー商品の販売も少なくないため、中国の消費者は正規品に対する要求を更に高めています。
中国消費者協会のデータによると、2017年1年間で販売サービス全体で受けた苦情件数が69397件、そのうちリモートショッピングが59.3%を占め、更にその中の70.6%がオンラインショッピングによるものとしています。
これらの苦情の中で特に目立っているのが、
・商品サービス・低品質およびコピー商品
・消費者の個人情報の漏洩
・オンライン決済の安全性
となっています。

EC業界が成熟していき、消費者の収入が増加、モノに対する概念が変化していくことで、オンライン販売商品への要求が強くなっているので、サービス提供側も更に良いEC環境を構築していくことが求められます。

 

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