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億人規模の人気プラットフォーム「小紅書(RED)」が消える?!

億人規模の人気プラットフォーム「小紅書(RED)」が消える?!
7/30、そして8/5は、中国の特に若者にとって衝撃的なニュースがありました。それこそ中国版インスタとして知られる「小紅書(RED)」のアプリストア削除です。当メディアでも何度もとりあげてきましたが、小紅書とは写真や動画をメインにしたコンテンツプラットフォームで、SNS機能をベースにしてECやライブストリーミング、そしてオフライン店舗への送客機能などを備えた人気アプリでした。 ※2019年5月時点でMAUが8500万人を超え、90後が7割を占めるような若者に愛されているプラットフォームです。 こちらの小紅書が突如アプリストア( iOS & Android )から削除された背景と、今後の展望についてお伝えできればと思います。

「小紅書事件」の原因

今回アプリストアから削除されることになった理由としては、大きく3つあると言われています。
  • 1.法律面で色々な規制対象へ
  • 2.口コミの不正売買の悪化
  • 3.偽物など取引上の問題が多数発生
まず1つ目ですが、ある法律団体の報告によると、小紅書は実は18条目の法律違反もあったと指摘されていました。中でも一番の問題点はアダルトコンテンツを規制しきれなかったことだとされています。個人の投稿で少々風紀上良くないものを、テクノロジーで排除しきれませんでした。他にも、個人情報の不正利用が指摘されています。個人データの利用に緩そうなイメージのある中国ですが、ここで指摘されているのはプライバシー設定の問題で、個人情報やスマホデータの利用が勝手に許可されている設定になっていたことが、違反とされました。インストールした後に行う初期設定において、スマホ上の「コンタクトへのアクセスを許可しますか?」などといった通知を目にすることが多いと思いますが、こちらの許可を求めずに、勝手にアクセスされる仕組みになっていた、などが挙げられています。 2つ目は、「口コミの不正売買やステマの横行」です。以前の記事でも紹介しましたが、小紅書は今年に入って大幅にガバナンスの強化に取り組んでいました。その背景はコンテンツの信用低下。偽アカウントの横行や虚偽の投稿、口コミの買収などによってKOLに“見せかける”ユーザーが大量発生し、彼らを締め出すために「品牌合作人平台(ブランドパートナープラットフォーム)」を設立し、KOLの条件規定を厳格化していました。こうした対応をしていたにも関わらず、やはり横行を止められなかったのだと考えられます。 3つ目はEC機能における不正取引の多発です。そもそも投稿にある商品と別のものが届く、購入したものが届かない、など多くの問題が生じていました。単なるコンテンツプラットフォームからECサイトへの転換はやはりハードルが高く、ロジスティックや商品の検証などの部分で、ECプラットフォームが直面する問題を乗り越えられなかったのではないかと考えます。 RED削除

サービス停止が難しい理由

今後の進展はまだ予想できない部分が多いですが、新規インストールがとりあえずできなくなった小紅書、改めて発展の経歴を辿ってみたいと思います。 2013年6月に上海を拠点に誕生し、同年末に越境ECの情報交換コミュニティとして話題になりました。翌年、数百万USDのシリーズA調達に成功し、アプリのリリースやEC機能の搭載によって、同年のうちにシリーズB調達が実現するという超ハイスピードな成長を見せました。巷では「中国版インスタグラム」と言われてはいますが、実情はECプラットフォームです。ビッグデータをフル活用したAIベースのタイムラインでは、ユーザーの興味に沿ったコンテンツを提供し、購入まで整ったUXで、SNSで情報を仕入れて購買する現代の若者のニーズに適合したプラットフォームになりました。 リテールブランドなどは、小紅書上に店舗を出し、広告を打って集客ができるようになり、合わせてKOLとのマッチング機能も搭載されるようになりました。日本の場合でしたら、公認ではない代理店が間に入って、KOLと広告主、広告メディアを連携させていますが、小紅書のすごいところは、これを一つのプラットフォーム上で簡単に連携できるようにしたことです。 小紅書のその成長の速さを支えているのは、超高速なPDCAだと言われています。自身のプラットフォームに相性の良さそうな機能は進んで搭載し、ユーザーに使わせてみて投資判断をするまでがとても短い印象があります。「小紅書の定義は毎年変わる」とも言われており、ライブストリーミングやKOLマッチングもそのうちの一つでしょう。 2018年には全世界でユーザーが1億人を突破、5月のMAUは3000万人、平均DAUが775万人という驚異的な数字を叩き出しました。ECの側面では、2017年の取引額は65億元(1000億円越え)にも登り、ユーザーにとっても、ブランド店舗にとっても欠かせないプラットフォームとなっています。越境ECプラットフォームとしても名高い小紅書は、インバウンドを拡大させたい日本の化粧品や消耗品ブランドも積極的にアカウントを開設し、小紅書を通じて中国市場の集客に取り組んでいました。同時にアカウント開設や運用などを代行するベンダーも多数登場し、小紅書は日本のEC関連者にも不可欠なサービスになっているのではないかと思います。

今後の動向

そんな中で今回アプリストアから削除されることになり、中国国内はもちろん、日本の関係者にも衝撃が走っています。現状新規インストールができないだけで、すでにDLしている人はまだ使い続けることができます。上記のような原因で問題にはなっておりますが、一方でとても多くのユーザーが生活の場として使っているプラットフォームでもあるため、強制的にサービス停止になるとは考えにくいのではないでしょうか。ストア削除という形は、残念な部分も多いですが、捉え方によっては「改善猶予を与えている」とも考えられます。指摘された原因を小紅書が適切に対処し、再びストアに戻ってくることに期待したいです。現在も依然ECプラットフォームとして大量の取引が行われている場であることには変わりないので、今後どのような動向があるか目が離せません。

 

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