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DMOの取組紹介 〜大阪観光局〜世界が注目する観光都市になるための3つの条件

DMOの取組紹介 〜大阪観光局〜世界が注目する観光都市になるための3つの条件

大阪はユニバーサルスタジオジャパンや大阪城、百舌鳥古市古墳群など豊富な観光資源や「食い倒れの大阪」と称されるほど、食文化も幅広く、世界を代表する観光都市となっています。訪日外国人にも関西国際空港があり、国際的な玄関口として発達した交通網があり、手軽に京都や神戸等へのアクセスにも優れていました。大阪を訪れる観光客数は新型コロナウイルス感染拡大の影響で渡航が困難になる前までは、全国の増加率を上回る伸び率で急速に増加していました。


しかし、多くの訪日外国人が訪れる大阪でもまだまだ課題も多いのが現状です。例えば、中国・韓国・台湾・香港からの観光客数が全体の75%を占めており、観光客がアジアに集中するといったことも課題の一つです。実際に政治的な問題で韓国の観光客が全く姿を見せなくなったケースもあり、アジアに偏った観光となるとリスクも多くなります。また、欧米や豪州の観光客は一人あたりの消費額単価が高いことから、まだまだ旅行先進国の需要を取り込めていないことも課題の一つです。こうした訪日外国人をターゲットにした観光ビジネスは知識や技術を有する専 門人材が不足していることから、ターゲットとなる顧客層が十分に練られていないなど、戦略的・ 効果的なマーケティングが実施できていないのが現状です。


大阪の都市魅力


また大阪観光のイメージが「USJ」や「道頓堀」に集中し、食文化も多彩にあるのにたこ焼きや串焼きに集中しており、豊かな観光資源が国内外に十分に伝わっていないことも課題として挙げらます。

こうした状況の中、大阪における観光振興及び集客力強化を図るため、大阪版DMOは3つをコンセプトを掲げ、大阪の特徴を活かしながら観光地域づくりのニューツーリズムの創出に取り組んでいます。


大阪版DMOは3つをコンセプトとは

①24時間観光都市:大阪

②関西・西日本観光におけるハブ:大阪

③多様 性あふれる街:大阪


24時間観光都市:大阪


24時間利用可能である関西国際空港は日本の空の玄関口である成田国際空港との差別化の一つです。そのため多くのLCC(格安航空会社/Low Cost Carrier)が就航し、アジアからの観光客が便利に訪れることができるようになっています。また、西日本屈指の繁華街である大阪を代表する梅田や難波のエリ アを中心に日本の新しい玄関口として国内外から観光客を呼び込むことができます。

また、外国人の活動時間は22時にホテルに帰る事が多く、24時間体制で旅行の重要な情報を集約した多言語コールセンターの設置やプロモーションツールの電子化・多言語化、W i-Fi整備等受け入れ態勢の強化することで、旅行者の利便性を高め何度も訪れたい街としてリピーターを増やします。

欧米豪などの観光客を中心にナイトエンターテイメントやスポーツ観戦の充実もこれから国際競争において求められて行きます。夜間の交通手段の充実や深夜の雇用創出もこれから大阪が観光立国になる上で求められることが予想されます。

そしてこれから注力しなければならないのが、災害時における観光客への情報提供や安全確保等を含めた観光客向け防災対策の検討・実施です。24時間体制で災害によるサポートも求められていきます。


24時間の観光都市大阪


関西・西日本観光におけるハブ:大阪


大阪は歴史・文化・自然など観光資源の中心にあります。大阪の恵まれた立地を中心に京都や奈良、神戸、兵庫など放射線状に発達した交通機関を有しているという優位性を活かすことが可能です。大阪だけに観光客が訪れるということではなく、「大阪+α」といった滞在型旅行を提案することで、大阪市内に集中する観光客を府域全体及び関西に拡大させる事が期待されます。


そのためには観光情報を集約分析し、案内・販売・決済・宅配までを一元で提供する観光における総合案内所の設置 が求められます。


海外の観光客が日本旅行を想像する際に連想するのが、日本の歴史や文化です。こうした文化は京都や奈良で体験ができます。また、日本食では大阪名物のたこ焼きや鉄板焼きをはじめ、近隣には神戸牛などもあり、大阪を中心とした旅のプランを提供することができます。


多様性あふれる街:大阪


多様性あふれるの大阪街


これまでの観光はアジア圏を中心に「ショッピング」がキラーコンテンツとなっており、高級ブランド街である心斎橋や家電やドラッグストアなどが多い心斎橋〜難波などの地域が訪日外国人で賑わっていました。しかし、これからの観光はアジア圏からの誘客だけでなく、他のエリアにとっても魅力的な観光資源を発掘・発信し、「誰でも楽しめる街・大阪」 を目指さなければなりません。「食い倒れの大阪」と言われる充実した幅広い食文化はもちろん、歴史・文化に基づいた豊富な 観光資源の活用・発信が求められます。


欧米豪の観光客と一体となった観光資源の発掘のため、2019年に開催されたラグビーワールドカップの経験を活かしたスポーツツーリズムなど体験型観光も充実させていきます。また、「百舌鳥・古市古墳群」が大阪で初となる世界文化遺産に正式に登録されました。古墳の価値と魅力を伝えるため、気球などの体験ツアーやVRを活用した最先端の取組みにも力を入れています。

 

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