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中国越境ECの発展により中国人観光客のお金の使い道が大きく変化

中国越境ECの発展により中国人観光客のお金の使い道が大きく変化
ここ10年、中国人の海外旅行と言えば爆買いが主流でしたが、2017年現在では、そのように多くの荷物を持って帰国する中国人観光客が明らかに減っています。確かに中国人観光客は今でもツアーを組んで団体で海外旅行をすることが多いですが、渡航先においてお金の使い道が明らかに変わっています。

海外渡航時のショッピング消費が激減。その裏で…


コンサルティング会社オリバー・ワイマン社の調査によると、2016年、中国人観光客の海外渡航時のショッピングに使う金額が前年に比べ17%減少したと報告しています。しかしながら、中国人観光客総数や休暇期間の消費金額は継続して上昇しているようです。中国人観光客2000人を対象にした調査によると、中国人観光客が旅行時に使う平均金額は、2015年では8050元だったところが、2017年では6705元と減少しています。ただ、休暇期間の消費金額は1万9635元から2万317元と+3.5%の微上昇となっており、消費傾向が百貨店やブランドショップでのショッピングから観光や娯楽やアミューズメントなどへの体験消費に大きく切り替わりつつあるのです。

この変化の要因のひとつに、中国国内での越境EC市場の発展があげられます。越境EC市場の発展により、海外商品が中国マーケットに非常に入りやすくなりました。中国越境ECでは最短1日で海外商品が届けられるなど、かなりストレスフリーなショッピング体験できるようになりました。こういった商品は海外の実店舗で購入するよりも安く買えることもよくあります。

中国越境EC市場は2020年18兆円規模になる見通し


2017年中国の越境ECの小売市場規模は約13兆円となり、2019年まで2桁の増加率で推移する見込みとなっています。2020年にはこれが約18兆円に達する見込みです。また、越境EC専門のプラットフォームでは、2017年第一Qにおいて「洋码头」が26.3%を占め第一位になりました。※天猫やJDは越境専門ではないため省いた数字です。次いで第二位には「小红书」が24.7%。第三位に「蜜芽」が13.2%となっています。

越境EC専門のプラットフォームが隆盛を極める中、一方で購入代行業者に依頼したり直接海外に出向いて購入する方法が少なくなってきています。中国ではもはや海外商品は越境ECで買うほうが品質が担保されており価格も安く便利であると評されているようです。実際にある調査によると、中国人が海外に直接出向いて商品を買う割合が2015年から2017年にかけて33%減少しています。また海外で購入された商品が購入代行業者などによって転売される行為も減少の一途をたどっています。

今なお世界一位の中国人旅行者の消費額


海外商品が越境ECにより中国国内で購入されるようになったとは言うものの、中国人観光客の海外消費総額は、いまだに世界一位であるということも事実です。World Tourism Organization(UNWTO)のデータによると、2016年の中国人観光客の海外消費金額が2610億ドルに達しました。2015年の2498億ドルを上回り、全世界の5分の1を占めた結果となります。オリバー・ワイマン社のレポートによると、中国人観光客が渡航時支出総額において商品購入にあてる金額の割合は、2015年41%だったのに対して、2017年33%にまで下がったと発表しています。中国人観光客は既に海外渡航時にショッピングセンターや百貨店にはいかず、観光地やテーマパーク、アミューズメントなど体験を得られる場所にお金を落としているようです。

 

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