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小紅書(RED)解析‐2019年はコミュニティEC勝負の一年

小紅書(RED)解析‐2019年はコミュニティEC勝負の一年
中国版インスタグラムとして人気を集めている小紅書 (RED)。今年に入って、EC領域への参入や、オフライン店舗への送客機能を搭載し、カバー範囲を急速に拡大しています。この小紅書の最近の動向を徹底的に分析したいと思います。 小紅書(RED)解析

小紅書(RED)の最新データ

2013年に上海で生まれた小紅書は、今年で6周年を迎え、上海だけでなく、北京や武漢にオフィスを構え、2,000人を超える社員を抱える大企業へ成長しました。 コンテンツ量もここ一年で大幅に増加し、
  • テクノロジー: 11.4倍
  • 家具、ルームデザイン: 10.1倍
  • 健康:11.6倍
  • ペット: 8.6倍
  • 音楽: 8.5倍
今まで美容関連のジャンルだけではなく、各ジャンルで幅広く拡大していっています。 今年の5月には、ユーザーは2.5億人を超え、MAU(月間アクティブユーザー)は8,500万、そのうち90年代生まれ(90後)が7割を占めています。 小紅書(RED)カテゴリ増加

小紅書(RED)解析その1:ライブストリームプラットフォームへの道のり

小紅書のその成長の速さを支えているのは、超高速なPDCAだと言われています。自身のプラットフォームに相性の良さそうな機能は進んで搭載し、ユーザーに使わせてみて投資判断をするまでがとても速い印象があります。 「小紅書の定義は毎年変わる」とも言われており、ライブストリーミングもそのうちの一つでしょう。小紅書の強みである「生活の一部分のシェア」は、ライブ動画と大変相性が良く、新規ユーザーの獲得や、継続率や使用時間の増大を目的に搭載されました。今や一部の人からは「小紅書はライブストリーミングプラットフォーム」と称されるほど定着しています。おそらくこれは日本人からすると、インスタライブが広くインフルエンサーに利用されている背景と近いのではないでしょうか。 しかし、「ライブストリーミングサービス」を「ライブコマース」にする点では大変な苦戦を強いられています。相変わらずECの面では順調な成長を歩めているとは言えません。2014年に小紅書は、タイムライン上でネタを蒔いて、EC取引へ遷移させる仕組み・サイクルを導入しました。しかしそれも越境EC市場においては、タオバオグローバル(Taobao Global)、网易考拉(Kaola)や国際京東(JD)に敗北などの巨人に敗北。多くのユーザーは、小紅書上で情報収集をしたのち、別の親しみのあるプラットフォーム上で購買を果たしてしまい、多くユーザーの流出を招きました。ライブコマースは、通常のECよりも購買促進機能や、その場限定の割引など、購買欲を高める機能が多くあるにしても、やはりタオバオ(Tmall)や京東(JD)にどのように優位性を構築できるかに、期待が集まっています。 ライブコマース

小紅書(RED)解析その2:ガバナンスの強化

2019年1月、小紅書は新たに、「品牌合作人平台(ブランドパートナープラットフォーム)」を設立しました。ここには、各種ブランドと、KOL(Key Opinion Leader, インフルエンサー)、MCN(Multi-Channel Network)機構の3者のみが参入でき、ブランド側と自由にマッチングを行うことができます。リリース後わずか4ヶ月でKOLの数は1万人を超えました。 しかし、品質を守るために5月にこのプラットフォームにおける入場制限がかかり、多くのKOLが場内からはじき出され、不満・怒りの声が上がっています。小紅書が行ったのは3つの規定変更でした。
  • 1.KOLの条件規定を厳格化:リリース当初からファンの数と、1ヶ月間の投稿のPV数という入場条件はありましたが、それがファン:1,000人→5,000人以上、PV:1,000→10,000以上、という大幅な変更を行いました。
  • 2.罰則規定も厳格化:プラットフォーム外での取引誘導や、虚偽のパートナーシップ締結、データの詐称などに対して、ユーザーの解約だけでなく、1年にも及ぶ公開懲罰が与えられることになりました。
  • 3.MCNの条件も厳格化:10人以上の提携KOLがあり、創立1年以上経過したものでないと入場ができないことに。
ガバナンスの強化 これらの規定厳格化の背景には、偽アカウントの横行や虚偽の投稿など、小紅書の信用低下が進んでいたことがあり、今回こうして入場条件を大きく厳格化することによって、プラットフォーム内のガバナンス強化、治安向上を図ったとされています。しかし、更新版の規定に満たなかったKOLは、それまでにプラットフォーム上で成立した事業やマネタイズが突如不可能になったことで、大幅な収入減を訴える人たちも出てきています。

小紅書(RED)解析その3:信用危機への対応

上記のように、プラットフォーム内のガバナンスを強化した背景には、コンテンツへの信用低下がある、と言われています。EC化に投資したい小紅書からすると、コンテンツに虚偽の内容があり、商品の信頼性が担保されないと評判になってしまうと終わりです。そこで、新たに搭載した機能が、「小紅心」と言われる、商品評価システムです。これは、小紅書のEC上で注目を集めている商品を、実際に購入した人にアンケートに答えてもらうことで、口コミ評価を集める、というものです。購買履歴や、その対象ジャンルに対する各ユーザーのアクティブ度などから、回答者を選出し、口コミを集めることで、実際に購入・体験した人の意見を参考に意思決定ができる環境を構築しました。また、これに加えてランキング制度も導入し、口コミ評価に合わせてジャンルごとに商品がランク付けされるようになりました。 REDのランク 現在すでに3,000を超える商品がすでにスコアリングされており、100近くのランキングが設置、650を超える商品がランクインしています。このランキングは、閲覧画面からそのまま購買ができる仕組みになっており、タイムラインとランキングの両方面からコンバージョンを促進できるようになりました。これによって、より信用できる評価を参考に、消費者の購買の意思決定コストが下がり、かつより多くのチャネルによって購買欲を増進できるようになり、他のECプラットフォームにはない優位性がまた一つ構築されたことになります。 口コミによって信用を向上するとともに、消費者の勾配を促進できる仕組みを一挙に整備、小紅書の商業化に対する本気度が伝わってきます。 小紅書の関係者は、今年は小紅書がECを含め商業プラットフォーム化する上で重要な一年だと言います。「去年のユーザー数の三倍の成長速度を保てるか否かが、今後の明暗を分けます。」今年の下半期、小紅書が次にどのような手を打ってくるのか、目が離せませんね。

 

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