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中国でECを運営する場合、Wechat(微信)はどう活用するのが効果的か?

中国でECを運営する場合、Wechat(微信)はどう活用するのが効果的か?
中国で自社ECサイトを開設した場合、その運営にWechat(微信)をどう活用していけばいいのかという相談をよく受けます。

いろんな活用方法はあるのですが、ここでは日本では馴染みはないが中国では効果的で当たり前というちょっとエッジの利いた方法をご紹介します。

ご紹介する前にお伝えしておきたいことですが、順当に健全に日本国内の常識的ルールの範囲内で、日本国内のみでマーケティングをされてきたマーケティング担当者の方には、にわかに信じがたい方法です。「うちには合わない!」とおっしゃる方も多いかと思います。以降は、「本気で中国のことを分かって、中国ECを是非成功させたい」という方にのみ読んで頂ければと幸いです。

それでは本題です。

ご存知のとおり、中国では口コミ文化というのが非常にしっかりと根付いています。少し大きな買い物をする時には必ずと言っていいほど、親戚や友人の意見を求め、それを信頼できる情報として信じ、まさに勧められた物を買います。もちろん、大きな買い物の時だけでなく、化粧品や雑貨など、普段使いの物でもその傾向はあり、友人が「良い!」と言ったものを購入しやすい傾向にあります。

そして、その「信頼できる情報」はネットが発達したことによって、今度は、有名人や各分野に影響力のある人、そのことに精通している友人の友人などから得られるようになり、マスメディアよりも、ネットからの情報を重視する状況にあります。

Wechatは、日本でいうLINEとFacebookを混ぜたようなもので、中国人消費者は、Wechatを通してその「信頼できる情報」をとりにいきます。友人が「これ買ってすごい良かった!」という投稿が自分のフィードに上がってくると、それはまさに信頼できる情報になるわけです。また、有名人をフォローして「おススメ!私も使ってます」という内容が飛んでくると、これもまた信頼できる情報になり得ます。

「友人の友人が投稿した内容」も場合によってはフィードにあがって来て、これもマスメディアなんかよりも圧倒的に信頼性を帯びた情報になります。

友人の友人の友人の・・・

なんか「あの臭い」を感じますよね??笑

そうです、中国ではWechatを使ったマルチレベルマーケティング(MLM)、ネットワークマーケティングが盛んに取り入れられています。もちろん日本でのイメージとは全く違う形で中国人消費者には受け入れられており、ブランドイメージを崩してしまうような悪質な印象を与えていません。

実は中国では、MLMを活用した販路開拓の成功事例は多数あり、日本に比べ、いわゆる’’まとも’’な会社の実績が多いです。

中国ではMLMと言えば、大きく2つに分類されます。ひとつは、「传销」。そしてもう一つは「分销」と呼ばれるもの。

「传销」は、一般的に商材がないのに、莫大な「会費」を発生するようなものが多いです。これは、いわゆる本当のねずみ講ですね(笑)
確か日本では違法です。

「分销」というのはアフィリエイトに近いイメージです。ただし、日本でいうアフィリエイトと違うのは、アフィリエイターのアフィリエイターが存在し、2階層以上になってくることが普通にあり得ます。

中国ではこの「分销」による販売が、ある程度許されています。※階層や条件にもよりますが。。

もちろんWechatでも「分销」システムで販売をする企業は多く存在し、これをWeChat側は許可しています。

つい先日、8月21日午後にも、Wechatリスクコントロールセンターの高級総監督の郑立鹏氏が、Weiboのオフィシャルアカウントで、下記のようなコメントを発表しました。

郑立鹏氏のコメント

日本語訳:「MLMについて、Wechatプラットフォームでは2階層までの販売が許可されています。3階層以上に発展するMLMに関しては、Wecart Playment機能やアカウントそのものの強制停止とします。」

 

ところで、Wechatでの具体的なMLM活用方法ですが、イメージとしては下記のような図でとらえていただくのが分かりやすいかと思います。

20160822MLM

まず、①でEC事業者(貴社)とWechatで影響力をもつユーザーなどがアフィリエイト契約をします。②で実際にアフィリエイターとなったユーザーが貴社の商品を口コミます。③でアフィリエイターのフォロワーが消費喚起され商品を貴社から購入。その後④のとおり商品発送をして、発送完了すれば⑤でマージンがアフィリエイターに還元されます。これをさらに「フォロワー」がその「友人」に口コミをし、「友人」が貴社から商品購入した場合には「フォロワー」にもアフィリエイト料としてマージンが還元されるという形です。これで2階層までですね。

最後に、WechatでMLMの仕組みを活用するメリットを5つにまとめました。

【1】販路開拓が楽になる
仕組みさえ導入すれば、インフルエンサーやサプライヤーはいくらでも見つけ出せます。彼らにとっては、商材の仕入れリスクがなく、手軽にビジネスを始められることはありがたいことです。しかも、日本ほどMLMが介在した口コミ紹介を毛嫌いする性格がないのでコストをかけず、マーケティングを成功させることも可能です。

【2】情報の伝達が早くなる
実際にユーザーが貴社ECサイトで商材を購入しているため、情報のフィードバックが早くなり、それが正確にスピーディーに拡散していくことになります。迅速な認知拡大に効果的です。

【3】偽物の普及を抑止しやすい
一般的なBtoBtoCでの流通に比べ、在庫を貴社でのみ一括管理することができるので、中国進出に最大のリスクとなる偽物の普及を最大限食い止めることができます。万が一偽物を発見したときも対応が一元化しやすく、ユーザーへの適切な対応ができます。

【4】資金回収が早い
ユーザーは直接に貴社ECで決済を行うため、BtoBtoCのような一般的な流通に比べ、資金回収期間が圧倒的に早くなります。直接末端ユーザーとの取引となるので、つまり最短ですね。

【5】価格の統一ができる
消費者の購入先はすべて貴社ECとなり直販なので、統一価格での販売が可能となります。一般的なBtoBtoCで流通を進めていく場合、業者によっては上代や卸値を平気で破るところがあるなど、価格ルールが簡単に崩れてしまい、ブランディングにも大きな影響を及ぼしてしまいます。

以上、WechatでMLMの仕組みを活用した中国ECサイトのマーケティング手法でした。

※ご興味のある方は当ブログ運営のクリップスでもWechat導入相談の受付をしております。
お気軽にご連絡下さい^^

あ、あと中国人のインフルエンサーマーケティングも絶賛受付中です^^

 

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