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オンライン体験が地域を救う!?Amazon Explore(アマゾン・エクスプロア)の可能性

オンライン体験が地域を救う!?Amazon Explore(アマゾン・エクスプロア)の可能性
eコマースにおける世界的なリーディングカンパニーであるAmazonがオンラインの旅行体験型プラットフォームの新サービス「Amazon Explore」を発表しました。

Amazon Explore

オンライン体験では、世界191か国以上で利用されている民泊サービスAirbnb(エアビーアンドビー)も異国のカルチャーを学べる経験 「Airbnb Experience」を提供しており、家にいながら、世界の文化を体験できます。例えば、パリで「マカロン料理教室」を学んだり、ロシアで「マトリョーシカ人形ワークショップ」を体験することもできます。オンライン体験ツアーでは世界中のユニークなツアーを手軽に申し込みができるのです。日本でも「お寺で座禅体験」や「ゲームセンターでUFOキャッチャー体験ツアー」など、体験コンテンツが充実しており世界中から利用者が集まっています。

世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るうなかで、オンライン体験が新しい旅のスタイルとして定着しようとしています。
これからサービスの本格参入を控える「Amazon Explore(アマゾン・エクスプロア)」について解説していきたいと思います。

「Amazon Explore(アマゾン・エクスプロア)」ってどんなサービス

Amazon Exploreの特徴


・地域の専門知識(Local Expertise)
・ユニークな冒険(Unique Adventures)
・ライブストリーミング(Streamed Live)
・一方向のビデオ/双方向の音声(1-Way Video/ 2-Way Audio)
・個人的な繋がり(Personal Connection)
・インタラクティブな体験(Interactive Experience)

ライブストリーミング

Amazon Exploreの最大の特徴はツアーガイドと一対一のコミュニケーションができるという点です。現在はベータ版として米国向けにサービス展開しており、「北米」「中米」「南米」「欧州」「豪州」「アジア」の6つの地域で、Amazonが認めたホストが体験ツアーを販売していきます。
世界を疑似体験するなら、Google Earth(グーグルアース)でストリートビューを駆使すれば、観光地を覗いてみたり世界各地を簡単に巡れることが可能になります。
また、YouTubeで観光地の紹介動画を観ることも可能ですが、ツアーガイドと交流することで、文化に触れ合えることができます。コミュニケーションもベータ版ではツアーガイド側から参加者側には音声・映像が送信されますが、参加者側からツアーガイド側には音声しか送信されないため、参加前に身なりを整えておく必要はありません。

また、ツアーはパソコンのみ対応しており、OSの制限はないもののスマートフォンやタブレットからは利用できないので、家で楽しむのに特化したサービスになっています。

体験ツアーには名所をめぐる観光型と料理や創作をする体験型があり、各セッションは主に35分から1時間で料金は10ドルから200ドルの範囲で販売されています。体験セッションの時間や料金はホスト側が自由に決められるようになっていて、手数料や利用料についての具体的な割合などはまだ明かされていません。

ベータ版で販売されている体験ツアーの一例


・築地市場と東京の食文化を仮想的に購入する(日本)$49.00
・マドリッドのお化け屋敷を仮想的に探索する(スペイン)$49.00
・ルネッサンスリヨンの秘密を仮想的に探る(フランス)$59.00
・コンフォートフードコーナー:伝統的なチェコのポテトスープ(チェコ)$42.00
・コスタリカの家族経営の有機農場を訪ねる(コスタリカ)$39.00
・仮想ラスベガス暴徒ツアー(アメリカ)$53.00
・京都の伝統的な東山地区を仮想的に探索して買い物(日本)$35.00
・ペルーのピスコ:バーチャルカクテルクラス(ペルー)$35.00
世界で16ヶ国、86の体験ツアーが登録されています。

「Amazon explore」と「Airbnb Experience」の違い


①Amazon exploreの体験ツアーは1対1のプライベートツアーが原則となっています。
②Amazon exploreではツアー体験中にお土産や特産品の販売が可能
③Amazon exploreではガイド側からはゲストの映像を見ることができません。

世界最大のECサイトであるAmazonだからこそ、オンライン体験を通して商品販売が可能となっています。
体験ツアー中に地域にゆかりのある商品を案内して、ゲストが気に入った商品をガイドに伝えて、Amazon上で購入し自宅に発送するということもできます。
販売した商品はホスト側にも紹介手数料が支払われる仕組みになっていて、例えば料理体験ツアーの場合は、体験+料理器具の販売もできます。

「Amazon explore」は地方創世の鍵になる可能性を秘めている


地域の特産品をプライベートツアーで楽しみながら販売ができるAmazon exploreは、地域に眠っている「価値」を創造できる可能性を秘めています。匠の職人による伝統工芸や文化をその土地に訪れなくても体感できるので、観光客が訪れる人気の都市でなくてもビジネスが成り立つのです。日本各地には多彩な「歴史」「文化」「自然」「食事」がありますが、立地や言語の壁などの問題から世界に知られていない「宝」が眠っています。
ホスト登録を行うだけで、米国にいるAmazonから特別に招待されたユーザーと触れ合い、文化だけでなく、商品販売もできる仕組みは今後も目が離せません。

プライベートツアー

現在は非公開のベータ版のテスト段階のため、今後の発展が期待されます。
登録することで、今までの観光誘致と違った事例が造り出せるかもしれません。

オンライン観光を積極的に取り入れることで、観光をエンターテイメントとして価値のあるビジネスに発展させられます。単にリアルな観光と比較するだけでなく、オンラインでの価値創造を先駆けて取り入れることが地方創世に繋がると考えています。

Amazon exploreのホストになるためには?
ホスト登録するには、Amazon explore公式サイトから登録ができます。専用フォームにて質問事項を記載し送信すると、登録したメールに担当者から返信が届きます。
書類審査やレクチャーを受けたのちに、Amazonから承認が許可された段階でホスト登録されます。全てが英語でのやり取りになるので、審査の項目として語学力が必須になりますが、ガイドとしての熱量も重要になるそうです。Amazon側もホストに対してのサポートは手厚く、ベータ版から本格オンライン体験スタートへのローンチまでに試行錯誤が繰り返されると思います。
また、ホスト側にとってもスキル・知識を売る仕事としての選択肢が増える事により、地域で働くきっかけになると期待しています。ホストが持っているスキルや知識を世界中の人々にに売ることができる可能性を秘めています。
お土産付きのオンライン観光に特化したAmazon exploreは今後も見逃せません。

 

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