中国ビジネス情報マガジン | Business China

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【3月15日】消費者権利デーという中国リスク。越境ECから日本輸入食品が消える日

【3月15日】消費者権利デーという中国リスク。越境ECから日本輸入食品が消える日

毎年3月15日は「世界消費者権利デー」です。1984年、中国では中国消費者機構が設立され、1987年に国際消費者機構に加入しました。

1991年3月15日、中国の中央テレビ局が世界消費者権利デースペシャル生中継番組を放送しました。番組では消費者からの声に基づき、スタッフが徹底取材。当時様々な悪徳業者を暴くことに成功したのです。それからというもの、3月15日に中国では、消費者の権利向上のためにそういったスペシャル番組が毎年放送され、各業界の多くの企業が指名され、詐欺や商品品質に関する問題などについて指摘されるようになりました。

今年、中国の315はネットショッピングが渦中に

年に一度の315スペシャル番組は本日(3月15日)午後8時20分からスタートします。今年は「ネットショッピングの信用」がテーマです。明らかにネットショッピングにおける消費者権利問題が焦点となっていることが伺えます。それにはもちろん理由があります。2016年、中国消費者機構が発表した報告によると、遠距離ショッピング(ネットショッピング)の苦情件数は、中国でも非常に多いと言われるインターネット接続サービスに対する苦情や携帯電話サービスに対する苦情の件数を超え、1位になったのです。

中国、苦情、件数

サービス別苦情件数ランキング

ネットショッピングの苦情件数が1位になった背景には、もちろんネットショッピングの普及があります。苦情の内容は主に品質に関するものであり、実際の商品と紹介されていた内容が違うなど、往々にしてあることなのです。商品カテゴリではスマートフォン、自動車、アパレルが上位3位となっており、今回の315スペシャル番組ではこれらの品目にもスポットがあたる可能性が高いと思われます。

商品別苦情件数ランキング

商品別苦情件数ランキング

中国国内メディアの東方財富網が発表した315消費者権利デーのアンケート調査によると、アンケートに参加した44,008人の内、93%は過去一年間で消費者権利を侵害されたと答えました。

消費者権利、侵害、シェア

消费者が権利を侵害されたと感じた時、56.8%の消費者は何もできずにいるようです。20.5%の消費者は販売側に相談し解決に導きます。また6.8%の消費者は消費者機構に助けを求め相談します。そして4.5%の消費者は警察に通報するか法律手段で解決しようとするというデータが出ております。

中国の3月15日が日本の越境EC出店企業に与える影響は?

さて、中国における消費者権利デーですが、あらゆる業界で消費者権利の向上のためのアクションがなされます。それは、越境ECに出店する外国企業も例外ではありません。

先述したように、今年の焦点となる商品カテゴリは、スマートフォン、自動車、アパレルである可能性が高いと伝えましたが、こと越境ECに出店する日本企業においては、食品企業でもかなりの異変が起こっているようです。

中国大手越境ECから日本の有名食品や菓子類が消えた?

ここ最近のことですが、カルビーの商品がいくつかの大手越境ECから姿を消しました。

そのうちの一つ、網易コアラ(Kaola.com)は中国でも有数の大手越境ECプラットフォームですが、下記のようにコアラが出した公告では「カルビーのフルグラは国内規定に合わない」と記され、強制的に商品が撤去された模様です。

カルビー、calbee

公告の内容は、「中国質検総局輸入輸出食品安全局が日本からの輸入食品に対して、放射能検査の証明書類審査を申立て、網易コアラはこれに応じました。審査の結果、カルビーのフルグラが規定外の判定となり販売は中止、2つの店舗が閉店に追い込まれたのです。

またTmall国際のカルビー社の旗艦店でもわずか2種類の商品を残してすべてが販売中止となりました。

カルビー、フルグラ、販売中止、Tmall

そしてJD(京東)でも、すべての商品が姿を消しています。

カルビー、calbee、JD、京東

食品系に強いECプラットフォームの格格家でも、カルビー商品は以前までおススメ商品としてよく出ていたにも関わらず、現在は一切商品が出品されていません。

格格家、calbee、カルビー

一部のカルビーフルグラの産地が福島県の隣の栃木県であることから、放射能問題との関係があると言われています。2011年4月、中国の質検総局が出した公告では、日本の福島県、群馬県、栃木県、茨城県、宮城県、山形県、新潟県、長野県、山梨県、埼玉県、東京都、千葉県など12都県が産地となる食品、食用農産物や飼料の輸入が禁止され、また日本の他の地域の食品、農産物、飼料に関しても放射性物質の検査が必要となっています。

以前にもを「【中国向け水産物輸出】放射性物質検査の合格証明書・原産地証明書のこと」という記事を書かせていただきました。

中国では、3.11から6年経った今も、原発事故がもたらした食品安全における問題はまだ続いているのです。また昨今、日本からの輸入食品の制限が再び強化されているようです。各越境ECプラットフォームも日本からの輸入食品やサプリメントに対しては、取り扱いの際、日本政府が発行した放射性物質の検査合格証明書と原産地証明を求めるプロセスを設けています。

315周辺の期間が原因か、他にも多くの食品系日本企業が影響を受けている

影響を受けているのはカルビーだけではありません。多くの日本の食品系ブランドが影響を受けています。

Tmall国際のサントリー旗艦店では「税関システム調整のため、商品が一時的に出荷できません。」となっています。現在、この店舗のすべての商品が販売されていません。

サントリー、suntory

Redhorse旗艦店も税関システムテストの理由で、一部の商品は販売中止されています。販売中止となっている商品はすべて食品です。

レッドホース

山本漢方の旗艦店も同様に税関システムテストが理由で、すべての商品が販売中止されています。

山本漢方

JDグローバルにも似たような状況が発生しています。楽天のJD旗艦店の菓子類とサプリメントは全て撤去されています。ベビー用品やアウトドア用品などは通常どおり販売されています。

楽天、rakuten

網易コアラの楽天旗艦店はJDと同じ、食品類はなくなりました。

楽天、コアラ、rakuten、kaola

大量の日本の輸入食品が撤去されましたが、すべてが全てということではありません。例えば、網易コアラで販売されているブルボンのビスケットは工場も本部も新潟県にあり、放射能物質の検査の指定県です。同様に、MARUETSUイカフライのメーカーである株式会社マルエツの工場は埼玉県であり、こちらも指定県です。

ブルボン

中国人にも大人気のブルボンビスケットは残っていました。

タオバオで「日本 お菓子」と検索しても、確かに出品されている商品はまだまだあります。

タオバオ、taobao、お菓子

風評被害ととらえてもおかしくないこの現状ですが、現実はこのように日本の一部の輸入食品が3月15日周辺の期間において撤去されてしまっているのです。中国越境ECで出店を考える場合、国策に救われることもあれば、このような避け難い向かい風が吹くこともあります。しかしながら、こと3月15日の「消費者権利デー」においては、中国では毎年注目されており、このような異変が至るところで起こるのは、知っていれば予測がつきます。対策を練ることも充分にできるのです。

中国への進出はオンラインであれオフラインであれ、こういった独自のリスクを充分に把握した上で事業を展開されることをおススメします。当ブログ運営の株式会社クリップスでは、このようなリスク回避についても正確な情報と対策指南を行っております。これから中国進出、越境EC出店をご希望の方は、お気軽にご相談ください。

株式会社クリップス問い合わせ窓口

 

 

※追伸:2017.3.15 午前9:15現在、Tmall国際のカルビー旗艦店の商品はついにゼロになったようです。

カルビー、旗艦店、3月15日

 

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