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中国の購入代行業者はこのまま廃れゆくのか?それとも生き残るのか?

中国の購入代行業者はこのまま廃れゆくのか?それとも生き残るのか?

※購入代行業者についてわからない場合はこちらの記事をご参考ください。
中国越境ECのための基礎知識 – 越境ECビジネスの登場人物(2016.5.26公開記事)

この2年程で、中国の購入代行業界が激変しています。個人や小規模で購入代行業を行って来た、いわゆる非正規の業者が淘汰され、中規模以上の業者が購入代行業から正式な販社になるケースが出てきており勢力を伸ばしています。またそのような中規模事業者に対してサプライチェーンを提供する企業も出現し、この分野でも小規模購入代行業者は劣勢に立たされています。言うまでもありませんが、小規模事業者では仕入れの量が限られており、良い条件で充分なサプライチェーンサービスを受けることが出来ません。こうなると、どうしても規模が大きい購入代行業者が商流の上に立ち、小規模事業者をまとめあげる形となります。すると益々、小規模事業者にとってはビジネスチャンスを広げる機会が失われていくことになります。これは、小規模事業者にとって、サプライチェーンサービス企業との折衝だけに限らず、いわゆる上流にいるメーカーや一次販社のようなパートナーとの対話でも同様の結果となってしまいます。

しかしながら、小規模購入代行業者が決して末端消費者にとって存在意義のないプレイヤーかというとそうでもないところです。末端消費者にとって購入代行業者とは、最も身近な存在の場合、彼らの友人であることもあり得るのです。そこには中国独特の身近な人からの情報や口コミを一番に信頼するという慣習が根強く残り、彼らにとって小規模購入代行業者の存在意義がこういったところにもあるわけです。

洋姑妈(ヤンクゥマ)は小規模購入代行業者の救世主となり得るか?

「洋姑妈(ヤンクゥマ)」はこのような個人や小規模の購入代行業者の課題に対して、ひとつのソリューションを提供しています。洋姑妈は小規模購入代行業者と販社・メーカーをつなげるBtoBプラットフォームです。例えば購入代行業者がリクエストした商品を直接メーカーと交渉し良い条件で商品を仕入れます。仕入れられた商品には洋姑妈の利益が乗せられた上で購入代行業者に提供されるという仕組みです。

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「洋姑妈(ヤンクゥマ)」は2016年4月にサービスリリースがされ、「BtoBグローバル購入代行サービス」としてスタートしました。洋姑妈のユーザーとなる個人や小規模の購入代行業者は洋姑妈を通してメーカーから直接商品を買い付けます。これまでになかった良い条件で買い付けることができ、さらにはメーカーから直送により商品を受け取ることも可能です。洋姑妈はWEBとアプリの両方があり、いわゆる誰もが知る大手ブランドメーカーというよりは、中小規模クラスの海外ブランドメーカーや卸業者と小規模購入代行業者をつないでいます。ここでいう小規模購入代行業者とは様々で、世界各地に散らばる中国人購入代行業者個人や中国国内でWechatを利用し海外商品を販売する個人事業主、タオバオ出店する中小企業やBtoC向けECサイト事業者なども含まれます。現在、洋姑妈プラットフォームでは約1万の中小規模の購入代行業者が参加しており、メーカーや販社は200社以上存在します。海外に配置されている倉庫は全部で5拠点。ドイツ、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、日本(2017年5月に新設)となっています。ベビーマタニティ用品や美容化粧品、贅沢品、家庭用品、消耗品、健康食品、家電などの商品は幅広く、プラットフォーム上での月間取引量は数千万元に達しています。

中国の購入代行業界の2つの課題

「洋姑妈(ヤンクゥマ)」の創業者、杨青林氏は「購入代行業界において、最も重大な課題は安定的なサプライ能力の確保と通関の正規化である」と述べています。
洋姑妈では安定したサプライ能力の確保のために、メーカーと直接交渉し洋姑妈側で仕入れることで実現させています。またメーカー側が洋姑妈に直接出店することも可能となっており、サプライ確保を事実安定的なものにしています。また通関の正規化に関しても、個人や中小規模の購入代行業者がかかえる通関の課題に比べれば、完全BtoBで国内輸入できる洋姑妈の存在は欠かせないことになります。さらに購入代行業者は洋姑妈を使うことで、倉庫の確保、パッキング作業、通関手続きなどが不要になり、末端消費者の欲しい商品を探してくるという作業だけに集中することができます。洋姑妈内での参加者コミュニティに入れることもひとつのメリットです。このような仕組みにより、購入代行業者は中国人消費者から注文があった場合に注文書を洋姑妈に提出するだけで、あとは越境購入に関して、一連の作業はすべて洋姑妈(ヤンクゥマ)と上流にいるメーカーや販社とのやりとりだけで完結させることができるのです。

購入代行サービスの業界スタンダードとは?

ところで、購入代行業界にはこのような課題も存在します。購入代行業者は先述したように末端消費者の友人という個人レベルから中規模レベルの企業体として存在するように、かなり多種多様なプレイヤーが存在します。そのためサービス内容が事業者によりかなり異なりその内容は多岐に渡ります。購入代行サービスの定義が明確になっておらず、業界スタンダードがない状態なのです。そのため、サービスは玉石混合となり様々な問題も浮き彫りになっています。例えば、商品に対する保証が全くないということ。すぐに壊れてしまっても保障してくれないことが多々あります。またその商品が必ずしも本物であるとは限りません。だから先述のような友人レベルの購入代行業者も存在し得るのです。他にも購入後のカスタマーサービスがないことがよくあります。「洋姑妈(ヤンクゥマ)」が購入代行業者から支持される理由は、そのような購入代行サービスのまちまちになっている部分に明確な線引きをし、購入代行サービスの定義をしっかりと標準化させていることにあります。また海外メーカーや海外販社側から見たときに、中国の購入代行市場にアプローチする際、その第一歩となる事業者がこれまではあまりにも細かすぎたところもありました。なにせ中小規模の購入代行業者が星の数ほどいるわけですから。海外メーカー・販社は購買力の小さい中小規模の購入代行業者を捜し当て、ひとつずつ取引を開始するのが一般的でしたがこれではあまりにも時間と労力がかかります。しかしながら、現在は洋姑妈を筆頭にそのような中小規模の購入代行事業者をまとめあげるプラットフォームができあがってきたことで、メーカーや販社側はそのプラットフォームとの交渉を進めれば良いだけとなりました。今ではそのようなプラットフォームで購入代行業者を管理することができ、海外メーカーや販社にとって購入代行業者を使った中国参入の障壁が下がったことも事実です。

越境ECと購入代行サービスの共存は可能か?

中国政府による政策の引き締め、そして越境ECの隆盛により、購入代行業は年々右肩下がりになっています。しかしながら、「洋姑妈(ヤンクゥマ)」は購入代行市場にイノベーションの余地があると考え、2016年に購入代行BtoBプラットフォームとして参入しました。
創業者の杨青林氏は「購入代行業はまだ長期的に見て無くなることはない。」と断言します。越境ECを利用する人が年々増えて行く一方で、一部では購入代行でしか買えない商品もあります。消費者は明らかに両方の購入チャネルを利用し使い分ける傾向にあります。例えば日用品は越境ECでルーティン的に購入し、アパレルやアクセサリ商品など嗜好品や贅沢品などでは一部購入代行でオリジナリティのあるものを購入することもあります。
また日進月歩の越境EC業界でもやはりまだ偽物問題は色濃く残っており、その心配をするよりも、自分が信頼できる購入代行業者に商品を仕入れてもらうほうが良いとする意見もあります。越境ECで買えるものは購入代行業者でもほぼすべて買えるのですが、その逆は不可となる場合があるのも否定できません。また末端消費者にとって越境ECよりも購入代行業者を利用するメリットとして、新商品の情報が早かったり欲しいものがスピーディに手に入るという点もあります。

偽物、本物、商品

購入代行業者を活用することは是か非か

購入代行業が従来の小売業と比べて全く違うリテールプロセスであることは明らかです。従来は販売者側が市場で売れそうなものを予測して消費者に売ることで成立していました。しかしながら購入代行業はそれが逆転します。消費者側でほしいものがオーダーされ購入代行業者がそれを仕入れ、提供するという流れになります。そうなると、その「消費者側でほしいもの」というのをどうやって喚起するかという議論になってきます。購入代行業者と彼らの顧客はほとんどがWechatなどソーシャルでかなり深くつながっています。一般的な広告やPRではなく、商品情報が的確に自動的に欲しい人のところに欲しいタイミングで届くといっても過言ではありません。購入代行業者の活用は、商品情報や商品そのものの市場への浸透をかなり早めそして根付かせる手段として活用することができるため、簡単に捨てることはできそうにありません。

 

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