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中国話題の動画アプリ「TikTok(抖音)」 vs 「快手」徹底比較&マーケティング運用

中国話題の動画アプリ「TikTok(抖音)」 vs 「快手」徹底比較&マーケティング運用

中国では近年ショートムービーに関するSNSが若年層を中心に非常に人気が高まっており、多くのユーザーの生活に不可欠な存在になっています。そこで今回は、中国で第一位のショートムービーアプリ「Tiktok(中国名:抖音/ドウイン)」と第2位の「快手(クァイショウ)」の特徴をご紹介します。tiktokとは「Tiktok(抖音)」は2016年に中国のByteDance(バイトダンス)によってリリースされたショートムービーSNSです。特徴として食事やショッピング、エンタメなどの日常生活に関する動画を1分以内で撮影して投稿するという手軽さで、若年層を中心に爆発的な人気を誇っています。個人のユーザーは20代が中心ですが、ビジネスにおいては芸能人、KOL、企業、中国のニュースメディアも「Tiktok(抖音)」の利用を通じて広告やプレリリースなどをショートムービーで発信しています。ByteDanceの公式発表によると、2020年1月の中国国内における「Tiktok(抖音)」のDAU(デイリーアクティブユーザー)は4億人に達しました。


また海外での展開も順調であり、2017年には国際版「TikTok(ティックトック)」が日本でリリースされており、同年11月には日本のApp Storeの総合ランキングで1位を獲得しました。また余談ですが「日本のTikTok」は「中国のTiktok=抖音(ドウイン)」とは異なるAppとして存在しており、「中国のTiktok(抖音)」の方がコンテンツのバリエーション、動画の量が多く、コンテンツの質も高いと言われています。Kwaiとは一方「Tiktok(抖音)」とTOPを争う中国版Instagramとも言われる「快手(クァイショウ)」も約1分のショートムービーを編集・投稿できる人気アプリです。同サービスを展開する「北京快手科学技術株式会社」は「快手(クァイショウ)」の国際版である「kwai」というサービスを展開しています。「kwai」は日本を含め世界中に7億以上の登録ユーザーがおり、ティーン世代や、KPOPアイドルの間でも流行している「Tiktok(抖音)」と同じくワールドワイドな人気アプリです。「Tiktok(抖音)」に続き、2020年1月に「快手(Kuaishou)」も中国国内でDAUは3億人に上ります。


「Tiktok(抖音)」と「快手(Kuaishou)」はどちらも簡単に動画の編集・投稿が可能であり、ユーザーが気軽にコメントやフォローができる「手軽さ」をキーワードに急成長を遂げています。では次はこの2つのサービスがどんな違いを持っているかを5つの観点から紹介していきます。tiktokとkwai


サービス概念とメインユーザー層の違い


「Tiktok(抖音)」と「快手(クァイショウ)」は類似のサービスであると認識されていますが、実は2つのサービスには概念的に異なる部分があり、ローンチ当初はユーザーの性質も大きく異なっています。


「Tiktok(抖音)」は若年層に動画をシェアしてもらい、「バズらせる」ことを重視しています。よって「Tiktok(抖音)」は慌ただしいライフスタイルを送り、エンターテイメントに興味関心の高い大都市のユーザーが多く、短時間で効率的に情報を取得したいというニーズを持ったユーザーが多いという特徴があります。


対する「快手(クァイショウ)」は地方都市・農村部をのユーザーをメインターゲットとしています。中国ではインターネットを利用しているユーザー数は主要都市よりも一般的に3級都市や4級都市と言われる地方都市や農村部の方が多く、「快手(クァイショウ)」は「バズる」動画よりもユーザーが自由にライフスタイルを共有できるプラットフォームを作りました。大都市(1級・2級都市)に比べ、ユーザーのライフスタイルはゆったりとしており、それによってコンテンツも素朴で庶民的なものが多いです。


コンテンツ属性の違い


ユーザー層の違いによって、「Tiktok(抖音)」と「快手(クァイショウ)」における人気があるコンテンツの属性も異なります。前述したように「Tiktok(抖音)」の主なユーザーは1-2級都市におり、ライフスタイルが物質的に充実しています。よって「Tiktok(抖音)」のカテゴリーはグルメ、旅行、エンタメ、ショッピング、ダンスなどに関するコンテンツの割合が多いです。一方でユーザーが3-4級都市に多い「快手(クァイショウ)」のコンテンツ属性は不動産、中古、車など、生活に役立つ情報を発信するコンテンツの割合が多いです。


プラットフォーム構築の概念


「Tiktok(抖音)」はリリース時から、若年層のライフスタイルや流行などを非現実的に表現する「劇場型」動画プラットフォームとして認識されています。つまり「Tiktok(抖音)」ユーザーの視覚体験を重視します。動画を投稿するユーザーはフィルター機能などを使い、コンテンツ内に「若者文化・クール・流行」といった要素を詰め込みます。そうすることによって、より良い自分をコンテンツ内に投影し、ユーザーの満足感を満たしているのです。


一方で「快手(クァイショウ)」は「劇場型」よりユーザーが集う「広場型」の概念でプラットフォームを構築しています。「広場型」とはプラットフォーム側はユーザーになるべく干渉しない、ユーザー間がコミュニケーションをお互いに取り合えるような仕組み作りを指して言われているようです。


多元的・庶民的なコンテンツによってユーザーの間のコミュニケーションを重視しており、特に動画投稿者の「共有する」意欲を満たすため、いわゆる「普通の動画」でも多くユーザーがシェアできるようなプラットフォームを構築しています。


レコメンデーション機能


「Tiktok(抖音)」は従来のSNSと同様、PV数や「いいね!」数が多いほどアプリ内で優先的に表示され、PV数の多いアカウントにユーザーが集まってきます。


それによって「Tiktok(抖音)」ではMCN、芸能人、KOLたちのような影響力を持つアカウントが強く、投稿する動画は優先的に表示され何十万〜何百万もの「いいね!」がつきます。


それに対して「快手(クァイショウ)」はユーザー同士の繋がりを重視しており、個々のユーザー属性や好みに応じておすすめの動画を表示するアルゴリズムになっています。それによって誰がどんな動画をアップしてもトップページに表示される可能性があります。しかし、何十万も「いいね!」を集めるのは難しいプラットフォームです。tiktokとkwai


機能デザイン・UI


「Tiktok(抖音)」は「暇つぶし」のための概念が強く、トップページでは自動的に質の高いコンテンツが表示されます。ほとんどのコンテンツは音楽と合わせて編集されたインパクトの強い動画です。ユーザーは一度アプリを開くと、選択する必要性はなく、ショートムービーを次々に見ることができます。


「快手(クァイショウ)」は「コミュニティ」の概念が強く、ユーザー間のコミュニケーションを重視しているため、誰でも動画の共有が行ない易く、意見交換がしやすい環境が整っています。トップページには4つの動画が表示され、自分の好みによって動画が選択できると同時に、サービスの規約に違反する動画があればユーザーが運営側に報告することも容易です。これはすべて、より良い「コミュニティ」を育てるための機能だと考えられます。tiktokとtaobao


日本のショートムービーアプリとは異なる機能


「Tiktok(抖音)」は2018年5月から中国最大級のECプラットフォームの「淘宝(タオバオ)」と連携が可能になり、EC機能を追加することによってユーザーのマネタイズを促進しています。「快手(クァイショウ)」も同様の機能を導入しました。それによって日本とは異なり、今の中国ではショートムービープラットフォームは画面にネットショップのリンクを付けるなどのEC機能との連携機能が発達しています。KOL、芸能人やバイヤーたちはショートムービーを通して、短時間で商品紹介を行うことによりファンの販売意欲を引き出し、直接に商品を販売することができます。動画を観るユーザーは気になる商品をすぐに購入できて、ユーザーにとってWin-Winの機能だと認識されいます。


巨大なインフルエンサー市場とショートムービーSNSの活用


このように、ショートムービーSNSにはインフルエンサーマーケティングにおいて必要な多くの機能を兼ね備えており、これによって中国のインフルエンサー市場がさらに拡大しています。影響力の大きいインフルエンサーに依頼する場合、15秒の動画 1本で 50万元(約800万円)を越える費用がかかると言われるほどです。それでもなお、ショートムービーアプリを利用したPRが企業の認知施策、商品のブランディングを行う上では有効な手段だと言われています。


それを背景として、弊社では「(Tiktok(抖音)」や「快手(クァイショウ)」などのショートムービーSNSを用いた中国向けプロモーション支援を行っております。前述のサービスを用いた訪日中国人向けの集客施策も可能です。中国国内のショートムービーSNSのユーザーに向けて、アカウント運営、プロモーション提案、人気インフルエンサーによる広告コンテンツの制作投稿や拡散を行っております。また現時点でショートムービーSNSとECはを掛け合わせた施策も可能ですので、ご興味がありましたらお問い合わせフォームよりお問い合わせください。


 

 

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